※本記事はPRを含みます。

転職活動を始めるまで、僕はずっと「有給が取れないのは当たり前」だと思っていた

製造業の設備保全として10年近く働いていた前職で、僕は年間の有給を半分も使えたことがなかった。病気・法定の特別休暇・年度末の強制消化。それ以外で休んだ記憶がほとんどない。

「現場が止まるから」「俺が休んだら回らない」「空気的に申請しにくい」。そういった理由を積み重ねて、気づけば有給は毎年繰り越し上限まで残り、翌年また繰り越す。

それがおかしいと気づいたのは、転職活動中に面接で「弊社は有給消化率が85%です」という言葉を聞いたときだった。

数字を聞いた瞬間、頭の中で何かが引っかかった。「85%? 普通に取れる会社って存在するんだ」。その感覚が、転職を本気で決めた一つのきっかけになった。


日本の有給消化率は先進国の中で最低水準だ

まず現実のデータを確認しよう。感覚の話ではなく、数字で見ると日本の立ち位置がはっきりする。

厚生労働省「就労条件総合調査(2023年)」によると、日本の有給取得率は62.1%。過去最高水準ではあるが、OECDの主要国と比べると依然として低い(出典:OECD Labour Force Statistics)。

有給取得率(概算)
フランス約100%
ドイツ約95%
イギリス約90%
日本約62.1%(2023年)

日本の法定有給日数はそもそも最大20日(勤続6年半以上)で、フランスの30日より少ない。にもかかわらず、その少ない日数さえ6割程度しか使えていない。

「日本人は勤勉だから休まない」という文化論で語られることもあるが、実態は「休みにくい職場環境」が多くの会社に残っているということだ。

製造業の現場に漂っていた「有給を取りにくい空気」

前職の設備保全の現場では、有給を申請するためのプロセス自体がハードルだった。

まず上司に口頭で伺いを立てる。「その日、生産はどうなの?」と聞かれる。書類に記入して部長承認をもらう。それが終わっても「なんで休むの?」という空気は消えない。

労働基準法では、有給取得の理由を告げる義務はない。使用者が有給の時季変更権(業務上著しく支障がある場合のみ別の日への変更を求められる権利)を行使できるのは限定的な状況だけだ。つまり「なぜ休むのか」を聞いて暗黙の圧力をかけることは、法的な観点では問題がある行為に近い。

それでも「権利を主張する」よりも「空気に合わせる」を選ぶ人が多い。僕もそうだった。

この「空気」は個人の意識の問題ではない。会社の制度設計と管理職の意識が作り出す構造的な問題だ。だから個人が変えようとしても、なかなか変わらない。

転職活動で気づいた3つのこと

1. 有給消化率を開示している会社は意識が違う

転職活動中に複数の会社の求人情報を比べたとき、有給取得率を具体的な数字で開示している会社と、「取りやすい環境です」という曖昧な表現だけの会社があることに気づいた。

数字を出せる会社は、実際に管理・追跡できているということだ。「80%です」と言える会社と「取れますよ」としか言えない会社では、現場のリアルが違う可能性が高い。

2. 面接での「有給の質問」は失礼でも何でもない

転職活動を始めるまで、面接で「有給は取りやすいですか?」と聞くのは「怠け者に見られる」と思い込んでいた。

ところが実際に聞いてみると、まともな会社は正面から答えてくれる。「年間平均15日取得しています」「先月も何人か連続取得してましたよ」と、具体的に返してくれる会社は信頼できる。逆に「まあ……取れますよ」と言葉を濁す会社は、それがそのまま答えだと思った方がいい。

3. エージェントは「休みにくさ」の内情を知っている

転職エージェントは、求人票に書かれていない内情を把握していることが多い。「有給消化率が高い職場を探している」と明確に伝えると、条件に合う求人を絞り込んでくれる。

自力でリサーチするより確実で、相談は無料だ。「転職するかどうかまだ決めていない」という段階でも、情報収集として使うことができる。


転職の進め方や自己PRについては別記事でも詳しく書いているので参考にしてほしい。

AI時代に転職で求められるスキルとは?製造業エンジニアの視点

40代の転職自己PRの書き方【実体験ベースで解説】

40代で一度落とされた会社に再応募して採用された話


「有給消化率が低い会社は辞めていい」と断言できる理由

少し強い言葉だが、僕はこれを本気で思っている。理由は3つある。

理由1:個人の努力で変えられない問題だから

有給消化率は「職場文化」の問題だ。自分一人が積極的に取得しようとしても、上司が嫌な顔をするなら、毎回小さなストレスを積み重ねることになる。組織の文化は個人ではほぼ変えられない。

理由2:休めない職場は他の面でも歪みが出やすいから

有給が取りにくい職場は、「我慢」を美徳とする文化が根底にある場合が多い。残業・休日出勤・コミュニケーションの圧力。これらも一緒に抱えているケースが多く、有給だけが問題という職場は少ない。

理由3:消化できなかった時間は戻ってこないから

有給は使わないと消滅する(時効は2年)。本来もらえるはずの休みを毎年捨てているのと同じだ。給与・待遇・やりがい。これと同じように「休みが取れるかどうか」も、転職を判断する正当な基準のひとつだ。

転職を迷っているあなたへ

「有給くらいで転職は大げさかな」と思うかもしれない。でも有給は「働き方の質」を測る指標のひとつだ。取得率が高い職場は、業務の標準化が進んでいて、人員配置に余裕があり、個人の権利を尊重する風土がある傾向が強い。

転職の理由は一つじゃなくていい。「休みやすい職場で働きたい」という理由で転職することに、後ろめたさを感じる必要はない。

まず一歩として、転職エージェントに「有給が普通に取れる職場に移りたい」と相談してみることを勧める。その一言から始めるだけでいい。

転職エージェントに無料相談してみる

相談は無料で、登録後すぐに担当者から連絡が来る。「転職するかどうかまだわからない」という段階でも対応してもらえるので、情報収集のつもりで動いてみてほしい。


まとめ

  • 日本の有給消化率は62.1%(2023年)。先進国の中で最低水準に近い
  • 製造業の現場には「有給を取りにくい空気」が構造的に存在することが多い
  • 有給消化率が低い原因は個人ではなく会社の文化・制度設計にある
  • 転職活動では、有給取得率の数字を開示している会社・面接で具体的に答えられる会社を選ぶ
  • 「休みやすい職場に移りたい」は立派な転職理由。まずエージェントへの相談から始めよう

「有給消化率が低い=辞めていい」という考え方に共感してもらえたなら、ぜひコメントやSNSで教えてください。製造業エンジニアの転職体験を中心に発信しています。

ABOUT ME
kenta
転職活動5回経験済み。失敗もしたけど、諦めずに動き続けた結果、理想のキャリアを掴めました。「転職は怖くない」をリアルな体験談で伝えていきます。何度だってチャレンジできる。