有給30日 vs 10日。日本の会社がいかに”休みにくいか”を転職で知った話
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転職して初めて「有給って取れるものなんだ」と気づいた
転職する前、僕は有給休暇を年に3〜4日しか使っていなかった。
病気で休む日を有給に当てるか、義務の研修に充てるか。それくらいしか使い道がなかった。「申請したら白い目で見られる」という空気が工場の現場には確実に漂っていて、堂々と取れる雰囲気じゃなかったからだ。
ところが転職先では、同僚が普通に「来週月曜有給もらってます」と言っていた。上司も「そうかー、了解」で終わる。たったそれだけのことなのに、僕はひどく驚いた記憶がある。
この記事では、僕の実体験と国際比較のデータをあわせながら、「有給が取れるかどうかは会社次第」という現実をあなたに伝えたい。そして転職で何が変わるのか、具体的に話していく。
データで見る。フランス30日・ドイツ24〜30日・日本は?
まず数字から確認しよう。
主要先進国の法定有給日数と取得率を比べると、日本の立ち位置がよくわかる(出典:厚生労働省「就労条件総合調査」、OECD労働統計)。
| 国 | 法定有給日数(最低保障) | 平均取得率 |
|---|---|---|
| フランス | 30日 | 約100% |
| ドイツ | 24〜30日 | 約95% |
| イギリス | 28日 | 約90% |
| アメリカ | 法定なし(企業次第) | 約70〜80% |
| 日本 | 10〜20日(勤続年数次第) | 約62.1%(2023年) |
日本の法定最低は入社初年度で10日(6ヶ月勤続後)、6年半以上で20日。フランスの3分の2しかない。さらに問題は取得率だ。
厚生労働省の調査(2023年)によると、日本の年次有給休暇取得率は62.1%。法定日数自体が少ないうえ、その6割程度しか消化されていない。ヨーロッパ主要国が9割超なのと比べると、構造的な差がある。
「取れない」ではなく「取りにくい文化がある」という点が本質だ。
前職の「有給の空気」を振り返る
製造業の設備保全として働いていた前職では、有給申請のハードルがとにかく高かった。
直属の上司への口頭確認 → 書類への記入 → 部長承認。この3ステップを踏んだうえで、「その日は生産が忙しいんじゃないか」というプレッシャーが暗黙的にかかってくる。
有給は権利なのだから、理由を聞くこと自体が本来はアウトだ。だが「なんで休むの?」という空気は確実にあった。家族の行事、趣味、ちょっとした体調不良。それを正直に言うと「それで有給?」という反応が返ってくる。だから「通院です」とだけ言って申請するのが暗黙のルールになっていた。
年度末に「消化しないと無駄になるよ」と言われ、急きょ休む。そんな取り方しかできなかった。
転職先で変わった3つのこと
転職後、有給に関して変わったことを正直に書く。
1. 理由を聞かれない
申請フォームに「取得日」と「日数」だけ入力すれば終わり。理由欄がそもそもない。上司が「何で?」と聞くことは一度もなかった。当たり前のことかもしれないが、これが当たり前じゃない職場にいると、最初は戸惑うほどだ。
2. 計画的に取れる
2〜3ヶ月前から「夏にここを休もう」と決めて申請できる。前職では「そんな先のことを今決めるの?」という空気があったが、転職先では先に決めるほうが歓迎される。チームの業務調整がしやすいからだ。
3. 取得率が管理されている
年間の取得状況が部門単位で管理されていて、取得率が低い人には上司から「残ってるけど使ってね」という声がかかる仕組みだった。「消化しなさい」ではなく「使える環境を整える」という意識の差が大きい。
実際に転職後の初年度で、前職の5年分くらいの有給を使った気がする。特別な理由がなくても、普通に休んでいい職場があることを、僕は転職して初めて実感した。
有給が取りやすい会社を見極める3つのポイント
転職活動では「有給取れますか?」と直接聞くのが一番正直だが、聞きにくい場面もある。そこで別の角度から確認する方法をまとめた。
1. 有給取得率を求人票・就職四季報で確認する
大手企業の多くは有給取得率を開示している。「◯◯日 / 取得率◯◯%」という形で掲載されていたら信頼度が高い。開示しているだけで、意識している企業だという証拠だ。
2. 面接で有給の話題を出したときの反応を見る
「有給の取りやすさはいかがですか?」と質問したとき、「え、まあ取れますよ(苦笑)」という反応と「年平均15日くらいは取れてますよ」という反応は全然違う。答えの中身より、答え方の自信や具体性に注目するといい。
3. 転職エージェントに「有給消化率が高い求人」と絞って聞く
エージェントは企業の内情を求人票以上に知っている。「有給を普通に取れる職場か確認してほしい」と伝えると、企業の担当者に確認してくれることが多い。自分で調べるより確実だ。
転職エージェントへの相談は無料なので、条件のひとつとして「休みやすさ」を伝えることを遠慮なくやっていい。
転職活動のノウハウは別記事でもまとめているので参考にしてほしい。
→ AI時代に転職で求められるスキルとは?製造業エンジニアの視点
「有給が取れない」は仕事の問題ではなく会社の問題だ
有給を取れない人は、仕事が忙しすぎるか、会社の文化がそうさせているかのどちらかだ。前者は改善できる可能性があるが、後者はほぼ変わらない。
長年その職場にいると「休めないのが普通」という感覚になっていく。でも世界を見れば、30日の有給を取り切るのが当たり前の国が存在する。日本国内でも、有給消化率90%を超える会社は普通にある。
あなたが「休みにくいな」と感じているなら、それはあなたの働き方の問題ではなく、会社の文化の問題かもしれない。転職という選択は、その問題をリセットする有効な手段のひとつだ。
まず転職エージェントに話を聞いてみる
転職を考えるなら、まずエージェントに今の状況を話してみることをすすめる。相談は無料で、「いまの職場の有給が取りにくい」という悩みを話すだけで、条件が合った求人を紹介してくれる。
「転職するかどうかまだわからない」という段階でも相談できるので、気軽に使ってみてほしい。
休みにくい職場から抜け出すための第一歩は、「外の選択肢を知ること」だと思う。エージェントはその情報を一番持っている存在だ。
まとめ
- フランス30日・ドイツ24〜30日に対し、日本の法定有給は最大20日で取得率は62.1%
- 「有給が取りにくい」は仕事量の問題ではなく、会社文化の問題であることが多い
- 転職先では「理由を聞かれない」「計画的に取れる」「管理される」という変化があった
- 有給取得率は求人票・就職四季報・エージェント経由で確認できる
- 転職を考えるなら、まずエージェントに相談して外の選択肢を知ることが最初の一歩
有給休暇の比較と転職の話、何か共感できることがあれば、コメントやSNSで教えてもらえると励みになります。
